「達人シリーズ」の導入事例
「かんさ楽」と「達人シリーズ」で業務を効率化

「達人シリーズ」「達人Cube」を利用した電子申告への取り組みについて、鳥取県米子市の有和税理士事務所 有和寛之先生にお話をお伺いしました。

有和税理士事務所 有和寛之先生

プロファイル
有和税理士事務所
http://www3.ocn.ne.jp/~ariwa/
代表者 有和 寛之
所在地 鳥取県
所属 中国税理士会
米子支部
設立年 昭和58年3月
「達人シリーズ」
導入時期
平成19年2月
利用会計ソフト キュッシュレーダー・
プロ


◆ 事務所の特色についてお聞かせください。

有和税理士事務所 有和寛之先生
有和 寛之先生

有和−税理士事務所の業務を標準化することで税務・会計知識をデータベース化し、事務所内の業務が効率化できる「かんさ楽」税務版(らくらく税理)システムを構築して事務所を運営しています。




◆ 「かんさ楽」の特徴についてお聞かせください。

有和−「かんさ楽」は税法、会社法、中小企業会計指針を体系化し、全業種にわたる税務・会計知識をデータベース化し、目的に応じて必要なチェック項目が抽出されるシステムです。
簡単な質問に回答することにより、具体的な手続きや関係法令適法性等が表示されるので、様々なケースにも簡単な手続きで必要な報告書が作成、出力できますから、事務所の効率化と高品質なサービス提供が可能です。また、経験の浅い若手スタッフが記帳や税務申告の正しいあり方を学習できますので、事務所の戦力強化と業務効率向上のツールとしても有効です。

◆ 「かんさ楽」を構築したきっかけについてお聞かせください。

有和−税務署の調査などで、個人の感覚・判断だといろんな問題に直面してしまうことが多いです。きちんと体系化し、事務所全体の品質を確保しながら、お客様へ説明できるようにするため、また税務当局に正確な税務申告をしているとことを知ってもらうためのシステムが必要だと考えていました。
たまたま鳥取環境大学の先生方と出会い、私のいままでの経験や思いを伝えたところ、協力していただきシステムが完成しました。税務がしっかりしてないと、いくらマネージメント(経営)の説明をしても役に立たないですからね。

◆ 「かんさ楽」を導入した効果についてお聞かせください。

有和−どこの事務所さんも同じだとは思いますが、お客様のところに訪問して、その都度、領収書などを持ち帰って事務所で書類を作成していたら効率が悪いですよね。

「かんさ楽」はインターネットを利用したASPサービスなので、職員がお客様のところにパソコンを持参し、入力できるので書類を持ち帰ることがまったくありません。非常に効率的に仕事をすることができます。

以前に見学にこられた他の会計事務所の先生から「有和さんの事務所にはどこに書類があるんですか?私の事務所は申告時期になると書類の山でスゴイですよ」と驚かれたこともあります。確かに以前はうちの事務所も同じような状況でしたが、「かんさ楽」を導入してからは書庫がだんだんと空いてきました。今後は書庫をなくしていくことが目標ですね。



◆ 顧問先の拡大方法についてお聞かせください。

有和−以前は考えたこともありましたが、今はほとんど興味がないですね。
顧客の数を増やせば確かに業績も上がって事務所も賑わい、大きくなり、収入も増えるとは思います。しかし、そうなると私の手の届く世界ではなくなりますよね。そんな会社にはあまり魅力を感じないです。顧客の数が増えることにより、1人1人のお客様へのサービスが薄くなってはいけないと思っています。

「経営者の道を選ぶのか、専門家の道を選ぶのか」
と考えてみると、結局私は、経営者の道ではなく「専門家の道」を選んだのだと思います。やっぱり現場から離れたくなかったです。

今後の事務所運営についてお聞かせください。

有和−今年からは、タックス(税務)だけでなくマネジメント(経営)の方も広げようと思っています。今年の業績から見て、近いうちに行き詰ってしまいそうな経営者を集め、確実に業績を回復させるための勉強会をしています。会計情報を扱っていると経営の状況がわかってくるので、その知識をお伝えしています。

赤字の本当の意味、回復するための方法などを経営者の立場から話し合っています。私が今まで見てきた中で、経営がうまくいかないと健康を害されてしまう経営者が多いように思います。そして従業員が辞め、経営者1人が残り、その経営者も元気がなくなる・・・経営と生き方が直結してきてしまうのでしょうね。

◆ 税務から経営の方にも業務を広げたきっかけをお聞かせください。

有和先生は鳥取県第一号会計参与
有和先生は鳥取県第一号会計参与

有和−新しく制定された「会計参与」という制度がきっかけです。新たに会社法の中に制定され、会社の中での税理士に会計参与という役職・立場が設けられました。それまではそのような役職はありませんでした。財務計算の専門家という位置づけが会社にとってのこれからのキーマンになると思いますね。
これまで税理士は税務だけをやっていればいいという感覚を持っていたかもしれませんが、これからは「会計参与」という役職でタックス(税務)だけでなくマネージメント(経営)の専門家として会社内部における外部的な専門家になります。「会計参与」は社会的にも責任が大きく、力量を問われ、そしてその分、期待・信頼度は大きいです。


◆ 「達人シリーズ」導入の経緯をお聞かせください。

有和−電子申告がきっかけですね。
今まで利用していたシステムでは電子申告ができないということが分かり、「達人Cube」で電子申告しようと思いました。
税務当局との折衝、安全に申告を行うこと、また毎年の税務改正などを考えるとNTTデータは開発力もあり、安心、安全という定評がありますので迷うことなく導入しました。

「達人シリーズ」システム構成図

◆ 「達人シリーズ」の使い勝手についてお聞かせください。

有和−一言で言うと「非常に使いやすい」ですね。今まで使っていたシステムはデータを自動化する機能があるのですが、その機能は正しくできている時はいいのですが、逆に間違ったときが大変ですね。コンピュータが勝手に修正してしまうことがあるので、便利さが不便ということが多々ありました。
その点、「達人シリーズ」はうまくできています。どこまで自動化すれば使いやすいのかをちゃんと考慮し、開発されています。手書きをコンピュータ化しているというところが大変使いやすいですね。利用者の立場で開発されているのだと思います。帳票そのままであり、利用者にとって想定できる動きであり、税務当局が用意しているフォーマット通りですからね。非常に安心を与えてくれるソフトだと思います。ほんとに馴染みやすく、特別に研修会や問合せをしなくてもマニュアルを見ただけで使えますよ。

◆ 「達人シリーズ」を導入してよかった点をお聞かせください。

有和−やっぱり電子申告を対応していることが一番です。そして、利用しやすいところですね。
今年は、個人申告のお客様90件を電子申告しました。電子申告するために税理士事務所はソフトの購入やメンテナンスの費用・負担がかかるということを税務署の方にお伝えしましたよ。他にも私が感じた税務当局も知らない現場の生の声を伝えました。
税務署も税理士事務所がどのぐらいの費用をかけ、そしてどういう手順を踏んで電子申告をしているのかを知らないのでしょう。そういう部分を見てくれたのでしょうか、今では税務署の方が私を見ると「電子申告といえば有和さん」と言ってくれます。そして税務署長が電子申告に貢献したということで感謝状を持って来てくれました。

◆ 100%電子申告を実現された秘訣についてお聞かせください。

有和−納税者がどれだけ理解してくれるかが一番心配だったので、全てのお客様にお手紙を送付しました。難色を示されたお客様もいらっしゃいましたが、最終的には理解して、そして私たちを信頼し、協力してくれました。
今までの経験上、“こちらのお客様はやるが、こちらのお客様はやらない”などの例外は作らず、全てのお客様を電子申告しました。例外を作ると、どうしても管理方法などのあらゆる点でリスクが高くなりますからね。そして、恩恵があるにしても一よりも十。十よりも百です。相乗効果もあり全てのお客様に恩恵を受けて欲しいですし、私の事務所としても電子申告をしたという実感が掴めないと思いました。
今までもそうですが、私の会社は、「切り替えるときは全てを切り替える。例外は作らない。」というスタンスです。

◆ 職員の方はどのような反応でしたか?

有和−実は一番の抵抗は内部でした。しかもベテラン管理者です。操作の方法・手順などにも多少抵抗がありミスも多いように見受けられましたね。若手の方が何の抵抗もなく取り入れたようです。今年は「年調」を電子申告しようと計画しています。

◆ 電子申告で事務所が変わった点はありましたか?

有和−申告時期に来客の車が全然来なくなりましたね。以前は、大勢のお客様が署名のための印鑑をお持ちになり、入れ替わり立ち代り来社されましたが、今はパッタリなくなりました。あまりにも多くて「午前のお客様」「午後のお客様」とスケジュールを組んで、対応させてもらっていました。
そのため職員が来客の対応に追われていましたね。日中はほとんど作業ができない状況でしたが、電子申告を行うようになってからは来客の対応がなくなり、職員の税務署への書類の持込や、郵便局への発送の業務も短縮され、その分効率的に自分たちの仕事に集中しているようです。作業効率や事務所全体の流れそのものがいい方向に変わりました。特に私の事務所は“100%電子申告”にしましたので、結果が顕著に現れましたね。電子申告で、「ものすごく変わった」と実感しています。

◆ 今後の事務所の目標についてお聞かせください。

有和−電子申告を行うことでペーパレス化を進めることが今後の事務所の一番の目標です。
今までは決算が終わり、法人の書類の整理をするのに、ファイルしてコピーして穴をあけて平均1件150分(2時間30分)を要していました。1人一日3件で終わってしまう計算です。ところが、電子化にすると、ファイルの順番を変えるだけで30分短縮されました。最終目標は一連の作業を30分で終わるようにしたいですね。150分を30分に短縮できればかなりの効率化ですよね。
「かんさ楽」と「電子申告」を活用して、ゆくゆくは書庫を空にしたいですね。紙が少なくなることで、ただペーパレス化だけでなく、書類整理など作業時間も短縮されるという事が分かりました。また、ペーパレス化により税務署へ持込、郵便局への発送がなくなったという点も大きいですね。忙しい先生ほど是非、電子申告に取り組んでもらいたいですね。


取材時期:2007年12月


※敬称を省略させていただいております。

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